飛鳥の唇に、何かが触れた。

「!」

飛鳥は、目を見開いた。
零都の唇が、飛鳥の唇に重なっているからだ。

「きゃあああ!な、な、何を!!」

飛鳥が、真っ赤になって口元を抑えた。

「何って…キス」

「分かりますよ、それくらい!何でしたか、動機を聞いてるんです!」

飛鳥は、零都に怒鳴った。

「…他の男の心配、するからだろ。…ったく」

飛鳥は、零都を見つめた。

「妬いたの?」

「………」

零都は、飛鳥の質問に答えなかった。

「ねぇ、妬いたの?」

「…うるさいな。悪いかよ!」

真っ赤になって怒鳴る零都に、飛鳥は笑った。