碧衣は今年15になるが、この年頃の女子に多く見られる父に対しての嫌悪感などは全く無く、むしろ父のことは好いていた。


あまり会う機会がないというのもあるかもしれないが、壮一は帰ってきている間は家族との時間を優先してくれる人物で、佑香のことも碧衣のことも深く愛していた。

壮一と佑香は恋愛結婚だった。今もなお二人の仲は良い。

壮一の帰りを楽しみにしているのは碧衣だけでなく、佑香もまた同じであった。



佑香は結婚した時はまだ17だったと碧衣は聞いている。佑香は今もなお若々しく、恋する乙女のようにも見えた。



碧衣は両親の仲の良さが嬉しくもあるし、羨ましくも思う。


碧衣はスープを飲み終えると学校へ向かった。