幸せというものは儚い。 手にすれば泡となりあっけなく消えてしまう。 人は傲慢で無知だ。 手にしている間は何とも感じない「当たり前」が無くなって初めて人はそれを「幸せ」だったと気づく。 失うと取り戻せはしない。 この頃の私にはもうそんな考えしかなかった。世界が終わったも同然だった。 絶望だけが残り、希望なんてものは見いだせない。 そんな人間だった。