「・・・・・・・・。」



あたしが無言で俯いていると



ギュゥゥゥゥゥ



翔ちゃんの大きな体があたしを優しく包み込む。



「大丈夫。もし、なんかあったら俺、すぐ駆けつけるから」



「ホント?」



「当たり前。沙羅は俺の大事な彼女なんだから」



あたしはその言葉で少しは安心したので行く決心をした。



「絶対なんかあったら来てね?」



「うん」



翔ちゃんはあたしの緊張の糸とほどくような笑顔で言った。



「じゃ、行って来ます」



「いってらっしゃい」



そしてあたしはカフェのドアの取っ手を握った。