「沙羅、選んでよ。俺か……翔くんか」


ぇっ……まだ心の準備が…


「もし翔くんを選んだら俺はもうお前とは関わらねぇ」


「っ!!」

…やだ…そんなのやだよっ…


「選んで?」


「っ……あ、あたしは…、じゅ…潤が好きっ…」


「は?マジ?俺のこと嫌いなんじゃねぇの?」


「誰がオトしたと思ってんの?」


「俺か(笑)」


「ごめ…翔ちゃん…」


「…そ……か。沙羅、幸せになれよ?」


翔ちゃんは微笑んでくれた。

でも…翔ちゃんの瞳がかすかに潤ってる。


「潤くん、沙羅を泣かしたら奪いにくるからね」


「泣かすわけねぇじゃん。だから安心しろ」


「うん、分かった」


「翔ちゃん……あたし、ちゃんと幸せだったからね?」


「うん…」


「じゃ、沙羅、俺ん家に行こうぜ♪」


潤が強引にあたしの腕を引っ張る。


「じゃ、翔くんまたな」


あたしと潤は翔ちゃんの家から出た。


「沙羅っ…沙羅っ…ホントは渡したくねぇよっ…」


そう翔ちゃんがつぶやいてるのも知らずに…