おばあちゃんは、ゆっくりとおはなしをしてくれた。





「これはね、ある1人の女の子のお話よ。」



おばあちゃんは、思い出すように話をしてくれた。




「ある村にね、梨香ちゃんという女の子がいたの。
その子は、ある昼下がりに商店街をあるいていてね
ふと、目に留まった見かけない店に入ってみたの…。」




――――――――――




「いらっしゃいませー」


店に入ると店員らしき男の声が聞こえてきた。




「ここは、何のおみせなの?」



梨香は聞いた。



今までに見かけたことのないお店だったからだ。




「ここは、時間を売るお店です。」



男は答えた。




「時間?時間なんて買えるの?」



梨香は不思議そうにいった



「はい、時は買えるのです。」


男はにっこりと笑ってそう言った。