教室は眠るにはうるさすぎる

「み…お?」


聞き覚えのある声に頭を起こす

声のした方を見ると
亜希とミルクティーさん


「…?」

「ほらっ、あたし!
昔イーマンで一緒だった!」

イーマンってのは
昔から亜希が通ってるスイミングスクールだ

ミルクティーの表情は
こちらからは見えないが
亜希を見上げながら
小さな声で

「…あきちゃん?」


「そうそう!やっぱみおだ!」


亜希はいつもの笑顔で
再会を喜んでるみたいだ

「急に辞めちゃったからビックリしたんだよ~っ?」

「うん、ごめんね?」

さっきより元気な声で答えるミルクティーさん

みおって読むのか、アレ

黒板を見上げて
そんな事をボンヤリ考えていると

「ねぇねぇ澪ちゃん!!
これ茶髪!?
スゲー茶色いね!!」

このうっさい声は…
大樹…


俺も気になってた質問だし
少し様子を見るが
等の本人はまた黙ってうつむいている

ん?無視か?
大樹を無視なんて気が合いそうだなんて思えた

亜希は少し不思議そうな顔で彼女をのぞきこんだあと、

「スイミングは髪色落ちるからっ
ほら、塩素とかであたしみたいにさ」

と自分の髪を指さしている


確かに亜希の頭は茶色い

でも大して気にならなかったのは
小さい時から一緒で
その変化も見てきたせいだろう
目が慣れてるんだ


だけどミルクティーさんは違う
初めて見たし、亜希よりも明るい

茶色じゃなくて金じゃなくて
黄土色?みたいな感じ


「へー、亜希ちゃんも
澪ちゃんもスイミングかー
なんか見てみたいなっ!
なぁ?遥!」

他の二人もこっちを向いた
亜希は顔赤いし、
ミルクティーさんは
…睨んでる?


「興味ない。
一緒にすんなよ変態」


とりあえず大樹に返す

「大樹くん今のは変態くさいよー(笑)」

亜希は笑ったけど
ミルクティーは笑ってない



それより
なんで睨まれだんだ、俺