その日の帰りまたありさと
カラオケに行った。
『なんかさぁ―
亀井くんやたらと
りんの目見てたよね~』
『あたしもびっくりしちゃった。
てか……
ゆいどうしてるかな…』
ありさの顔は凄く
驚いた様子だった。
妊娠したと聞いて以来
ゆいの話は
一切しなかったからだ。
するとありさが
ゆっくり口を開き
『ゆうやとの子供…
おろしたらしいよ。』
と申し訳なさそうに
言った。
『そっか…。』
と言ったあたしの目には
大粒の涙が
いっぱいたまってた。
『なに泣いてんだあたし♪』
明るくふりまった
あたしを抱きながらありさは
『泣きたいだけ泣いて
いいんだよ…。』
そう言ってくれた。
あたしはありさの胸で
たくさん泣いた。