目の前には、夢見続けたあの世界


愛しげに手を差し伸べた
私の顔から、表情がなくなった


―――ガラスの壁…あるよ…

私はつけない…あの世界には…つけない…


われに返って見た、
ガラスの壁に映った私

これが…私…?


ガラスの壁には、ヒトに化け損ねた
悪魔が映っていた


―――あ、あは…
人間に…生まれなかったの…?


 
そうだよ



ガラスの中の悪魔が言った






『出口のないガラスの迷路。
私は出口を探し続けてる…』