その芽はあっという間に
成長した。
奥深く根をはり、どんどん
大きくなっていく……
―――ねぇ、やめて!これ以上大きく
ならないで!
そう叫んでも、どうにもならない
だって、芽に水を蒔いているのは
私なんだもの!
芽を育てているのは私なんだもの…
なんで?どうして?知らないよ?
なにをしているの?
私は何をしているの?
なんで水を蒔いているの?
知らない、知らないよ!
誰か私をとめて!!
誰も私を止められない。
私が1番よく知っているのに…
生意気いってごめんなさい!
無茶言ってごめんなさい…
何に謝ってるの?
誰に謝ってるの?
気づけばよかったね。
もう1人の私が言う。
ちいさな芽が生えた時、気づけば
よかった。
私を終わらせるために、始まった成長だって…