「『大人』と呼ばれる事が苦痛でしかなかった。いつしか、誰も本当の俺なんて分かってくれなんだ。と思ったよ。 ・・・・・親でさえもな。」
「違ったんですか?」
先生の言った事は、私の中では正論だった。
「あぁ。 森口先生っているだろ?」
「えっと・・・・家庭科の先生ですか?」
家庭科の森口・・・・・菫先生。やんわりしていて可愛らしい先生。
「そう。 森口先生の旦那が俺の親友。」
「へぇ、親友・・・。」
『親友』と言う言葉が心の中の冷たい感情を呼び起こそうとする。
「あいつに会わなかったら、俺は今もお前と同じだったよ」