「…白鳥さん…おはようございます」

キツい香水の匂いと、高い声。
振り向くと、そこには茶髪を豊かにカールさせた美女がいた。

若干ツリ目で気が強い印象を与えるが、「小悪魔系」というたとえが似合う、美しい少女だ。

名前は、白鳥かのん。

「今日の分は?買ったのぉ?」

口角だけをあげて、腕組みしながらそう言う。
彼女が身につけているのは、薄いピンク色のカッターシャツと白いサマーセーター。チェックのこれでもかと短くしたミニスカート。
すらりとした脚には紺のハイソックスと磨かれたローファー。
お嬢様学校として名高い、名門私立の制服だった。


自分とは、まるで正反対の対象。


「はい。ご注文、どおり」


「やーんやればできるじゃん♪
 アオミドロのくせに、役に立つぅ♪」


ひったくるように買い物袋をとると、
何かに気づいたように笑った。


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