「ねえ、なんか話してよ。
明るくて、スカッとするやつ」


女はグラスを差し出しながら
女主人にそう言った。


「いいね。気分転換にも、話してくれない?あと、おかわりをオススメで」

男も同じようにグラスを渡す。

女主人は二人のグラスを受けとって、
小さく頷いた。

「少しだけ長くなっていいかしら?それなら、とっておきの話をするわ」

構わない、と二人は言った。

「じゃあ、話を聞いてくれている間、二人には裏メニューのカクテルをサービスするわ」


「ありがとう!わ、綺麗ね」

「本当だ。メニューにはのっていないね」

女の前には、パステルグリーンのカクテルが、男の前には透き通った黄色のカクテルが置かれた。

女主人もすすめられて、赤ワインをグラスに注ぐ。

三人でグラスをあわせて、
女主人が言った。


「それじゃあ、話をするわ」