「はぁっ・・・はぁっ・・・。」


無我夢中で走り続けたあたしは夏祭りの会場からだいぶ離れたところまで来ていた。


「・・・っ・・・。」


中村くん、ひどいよ。
詩織さんというあんなに綺麗な彼女がいるのに。

どうしてあたしにキスなんかするの?

どうしてあたしをあんな悲しそうな瞳で見つめるの?

ねえ・・・どうして・・・?


「わからないよぉ、祐真・・・。」