相変わらずかわいい顔をしている美雪。


「祐真が女のコと一緒にいるの初めて見た気がする。その人、祐真の彼女?」


俺は否定しようと口を開いたが、栗谷がスッと俺に近づき、俺の顔との距離が20㎝もないところで、俺にしか聞こえない声で囁いた。


”否定したらあの子を・・・わかるわよね?”


それはほんの一瞬の出来事。栗谷はすぐに離れていった。


「そう。あたし祐真くんの彼女の栗谷詩織。あなたは?もしかして祐真くんの元カノ?」


美雪はブンブンと大きく首を横に振った。


「違いますよぉ。あたしは祐真とクラスメートだっただけで全然そんなんじゃないです。」


・・・美雪が“無”になってる。