その時。

--ガサッ。

誰かが近づいてくる音がした。

--ガサッ、ガサッ。

足音はすぐ近くまで聞こえ、そして止まった。

俺の目の前には栗谷が立っているからそこにいるのが誰なのかわからない。


「ゆ・・・うま?」


この声・・・。ずっと聞きたかった声だ。


「美雪?」


俺は栗谷から離れ、美雪をしっかりと見た。