「お嬢サマ、名前は?」

「栗谷詩織。」

「栗谷って、あの有名な?龍もいい仕事に就けたな。」

「まあね。」


神田龍はにっこり笑った。


「で、返事はどうなの?」


転入生が聞いた。

兄貴はもう一度視線を転入生に向けた。


「・・・祐真のためを考えて。」


俺のためを考えて?