「あなたの名前は?」

「・・・何で名乗らなきゃいけないの?」

「知りたいから。」

「・・・中村祐真だけど、あんたの婚約者にはならないから。」

「なぜ?」


心底不思議そうに俺の目を見つめてきた。


「栗谷グループの地位も財産も手に入るのよ!素晴らしいことじゃない!!」


俺はため息をついた。


「ってかさぁ、あんた何なの?
転入してきていきなり“婚約者になれ”って意味わかんねえ。」

「お嬢様になんて口をきくんだ!!」


神田龍が口を挟んできた。


「いいのよ、神田。確かに言葉が足りなかったわ。」


転入生は説明し始めた。