「宮崎なんかは“どうして教えてくれなかったの?”って泣きながら怒ってたよ。」


よかった。一人でもあたしがいなくなって悲しんでくれる人がいて。


「中村とか転校って言った瞬間、呆然だったぞ。」


嘘・・・。祐真が?

やば。少し嬉しいかも。

他の人たちはどういう様子だったんだろう。

やっぱり、あたしがいなくなるのなんて気にしなかったかな。


「他のやつらも悲しんでた。
お前が気づかないだけで、あいつらにとってお前は大切なクラスメートの一員だったんだぞ。」

「そうなんですか・・・。」


あたしはほーっと息をついた。


「用っていうのはそのことだから。」

「話聞けてよかったです。ありがとうございました。」


あたしは職員室を出ようとした。