「祐真には詩織さんがいる。
慎くんだってあたしにとっては友達。
2人ともあたしに恋愛感情はないはずなのに・・・。
何で・・・何でなの・・・?
龍さんはどうしてだと思いますか?。」

「それは・・・。」


“それは2人が美雪ちゃんのことを特別に思ってるから”

そう言いたかった。

でも、言えなかった。

美雪ちゃんは股下を無垢と独り言のように何かを言い始めた。


「夏祭りの時だってそう。
あの時、あたしは祐真に“最低”って言ったのに・・・。
祐真が詩織さんといたから・・・あたしは・・・祐真への想いを封印しようと・・・。
それなのに・・・それなのに・・・え!?」


俺は泣きながら呟く美雪ちゃんを思わず抱きしめていた。