それから急にご機嫌になったかーくんは、鼻歌まで歌い出した。
今まであんなに落ち込んでたのに、本当に切り替えが早い。
「かーくん、もう大丈夫なの?」
「ん?あぁ、そんなちっちゃいこと、もう気にしない!!」
ちっちゃいこと─
「そんなことより、目の前の大きなことだって!」
「えっ…?……!!」
「希……今日も早く帰るから、絶対に無理だけはするなよ?」
その大きなことが何なのかを尋ねようとしたら、突然抱きしめられた。
「…うん、わかってる。」
大きなことって…
この子のことか。
さっきもいきなり『あと5ヶ月♪』って言ってたもんね…
「茉央、ママのことよろしくな。」
「んー♪」
近くにいた茉央にまでそんなことを言って、かーくんは玄関へ歩いて行った。