それならよかった。



学校に行く準備を始めたかーくんを見て、私はホッと胸を撫で下ろした。



落ち込んで『学校行かない』なんて言われたらどうしようって、思ってたところだったし…



かーくんなら、そんなこと平気で言うからね─



まるで大きな子供みたい。



「かーくん。」



「ん?どした?」



「…ううん、何でもない。」



片付けが終わり、別に言いたいことないのに、私はかーくんを呼んでしまった。



「無理すんな、希。何かあったら遠慮なく言えよ。俺に出来ることは、全部やるから。」



「うん…」



かーくんは、いつも私の体調を気遣ってくれる。



お腹の赤ちゃんは4ヶ月目に入ったけど、まだまだ油断は出来ないし─



「本当、つまんねぇことで悩んでたな…俺。」



「え…?」



「あと5ヶ月〜♪」



どうやら、さっきまで気にしてたことは、どこかに飛んで行ったようだ。