―次の日―



「なぁ…一真。」



3限目。



空き時間が重なった俺と陽翔は、一緒に今回の試験の成績処理作業をしていた。



お互い教務部だし─



「ん〜?」



「お前さ…ちょっと顔色悪くないか?熱、あるんじゃね?」



陽翔にそう指摘されたが、自分ではわからない。



「いや…大丈夫。」



「本当か?ま、あんまり無理すんなよ。最近暑すぎるし、体調悪くなる奴いっぱいいるからさ。」



そう言えば、職員会議で猛暑の影響から倒れる生徒が多発してるって話があったな…



『先生方も例外ではありませんので、体調管理をよろしくお願いします。』って、養護の先生も言ってたし。



「うん…ありがと、陽翔。」



「いいよ、気にすんなって。あ、もし今より体調悪くなったら言えよ?」



陽翔はこんな風に、誰にでも優しい奴なんだ。



だから生徒や同僚の先生からの信頼も厚いんだよな。