どこまでも淡い期待を貪ろうとする弱い私の耳に届いたのは、それを木っ端微塵にするモノだった。

「あ、そう言えば三上ぃ、三上って文芸部でしょ?三上のってどれ?まさかこの『ブリキの怪人』?」

華の声にハッと顔を上げる。

そこには机の一点を見つめ青ざめた三上さん。一部始終を聞いていたに違いない。

罪悪感がないわけない。

でも、だって……こんな生き方しか私できない。私だって必死なんだもん。

次の瞬間、三上さんは私を涙の溜まった目で睨み付け。

その口が『死ね』と動いた気がした。


「ね~、三上ってばぁ!」

という華の声のBGMに耳を塞ぎたくなる。