「え……恵美?」

呼び掛けた私の声のか細さ。それは確実に私の怯えのあらわれ。

「恵美ちゃ~ん?」

ちょっとふざけた呼び方もしてみた。

でも恵美は聞こえなかったのか、聞く気もなかったのか、ふりむかなかった。

こんなの真顔で読んでたから、やっぱ変な子だって、キモいって思ったのかな?

最悪って思ったのかな?

見つめた先の恵美の凛と伸びた背中からは何も読み取れない。

でも……

でも話せばきっと──

ちゃんと話さなきゃ──