若草色の駿馬と思われるスケッチの描かれた表紙をめくると、目に入ってくるのは文字と写真とイラスト。

イラスト入りの詩、小説、写真入りの詩、小説。

全体をパラパラと捲って、やっぱ同人誌的?フフン、と鼻を鳴らした。

だけど何となく流し読みし出した小説は、想像以上に面白くていつの間にかその世界に惹き込まれてしまっていた。

だから気づかなかった。

「サチただいま戻りましたよ~。って何これ?」

隣からする恵美のすっとんきょうな声に。