合言葉は

“友達の友達は、友達。人類みな兄弟、姉妹”

よしッ。大丈夫。気を取り直してグラウンドに視線をやる。

黄土色の土煙の中をダルそうに歩く銀髪の高藤君、赤髪の黒田君がいた。我が三高の名物イケメンヤンキーだ。

「マジ、Aランク!!付き合いたい!」

ミーハーで派手好きな華が黄色い声を上げた。

「え……あんた彼氏いんじゃん」

ちょっとひき気味な恵美が突っ込むと、華は

「あの二人のどっちかと付き合えるなら、ソッコー別れるもん。Aランクだよ?」

と、シャラっと答えた。

ああ、私ドン引きしてる……。


華は男を“格付け”する。恵美はそれを『冗談でやってるんでしょ』と笑うけど。

ランクはAから始まりCまでで、その他は“ランク外”とされるえげつないモノ。

ホント、くだらないと思う。

でもそんな事に口出しする程私は子供じゃない。

触らぬ神に祟りなし、だ。

こう表現すると“華=神”となるところがしゃくに障るけど、まぁ似たようなものなのかもしれない。