「もういいよ。私も悪いトコあったんだし……。ていうか……。んん──」

珍しく三上さんにしては歯切れの悪い口調だった。

「……あの。まだ何か言いたい事あるの?なら言って?私──」

「違う。違うんだ。ずっとああいう風に面白半分にはやし立てられるから、萌木は希望者にしか配って来なかったの。誰だってバカにされるのは嫌でしょう?バカにしない人だけにこっそり配ってたの。だから皆、文芸部の冊子があるなんてあの時まで知らなかったでしょ?」

「ご、ごめん」

「だから、謝んないでよ。今その話じゃないんだから」

「ご、ごめん」

やっぱ謝まってしまう私。

「私、あれをきっかけにちょっと考えたんだ。極秘とかじゃなくて、もっと自信を持って冊子を出してもいいんじゃないかって……。むしろそうするべきなんじゃないかって。だって、一生懸命創るんだもん」

「うん」