もうすっかり葉桜になってしまった4月の学校の昼休み、ベランダで暇をつぶす私、白川幸(シラカワサチ)と相田恵美(アイダエミ)。
この地域独特の一陣の強風がグラウンドを吹き抜け、眩しいほどの緑がキラキラと揺れ、その間をハラハラと儚く舞う桜色を眺めていた。
「サチ、ほら。きれ~」
大人びた印象を受ける容姿とはだいぶかけ離れた間の抜けた恵美の声を聞きながら、こんな絵が描けたらいいな、とぼんやりと考えていた。
「あ!高藤君だぁ」
と叫びながら私と恵美の間に走りこんできて軽く身を乗り出したのは野沢華(ノザワハナ)。
正直、面倒くさいのが来た、と思う。
金髪に近い華の長くカールした髪が日差しを受けてキラキラと光り、白い肌をより一層際立たせる。
「あぁ、本当だ。高藤君も黒田君も格好いいよね~」
華の向こう側でベランダの手すりから腕をブランブランさせながら、恵美が茶色のポニーテールを揺らした。
しっかり者でお姉さん的な恵美が華と同じ中学じゃなきゃ、私はクラスの中心にいる派手な華と友達になんてなれなかったと思う。
それは感謝すべき事なんだと思うけど。だけど、どうしても受け入れられない自分がふとした時に現れる。
この地域独特の一陣の強風がグラウンドを吹き抜け、眩しいほどの緑がキラキラと揺れ、その間をハラハラと儚く舞う桜色を眺めていた。
「サチ、ほら。きれ~」
大人びた印象を受ける容姿とはだいぶかけ離れた間の抜けた恵美の声を聞きながら、こんな絵が描けたらいいな、とぼんやりと考えていた。
「あ!高藤君だぁ」
と叫びながら私と恵美の間に走りこんできて軽く身を乗り出したのは野沢華(ノザワハナ)。
正直、面倒くさいのが来た、と思う。
金髪に近い華の長くカールした髪が日差しを受けてキラキラと光り、白い肌をより一層際立たせる。
「あぁ、本当だ。高藤君も黒田君も格好いいよね~」
華の向こう側でベランダの手すりから腕をブランブランさせながら、恵美が茶色のポニーテールを揺らした。
しっかり者でお姉さん的な恵美が華と同じ中学じゃなきゃ、私はクラスの中心にいる派手な華と友達になんてなれなかったと思う。
それは感謝すべき事なんだと思うけど。だけど、どうしても受け入れられない自分がふとした時に現れる。