「ホントはね、全然白川さんを忘れらんなかった。忘れるどころか、学校来ると姿を探しちゃったりして。……で、失う位ならなんでもっとありのままの白川さんを受け止められなかったんだろうって後悔もした……」

非常階段に座りながら、流れる薄い雲を見つめて中山君はゆっくりと話す。

「だって俺の中で白川さんと過ごした時間はやっぱり何にも代え難いモノで。ホント忘れるなんて出来なくて。バカだね。バカでごめんね」

中山君の大きな手が私の髪を撫でた。

そして大好きな瞳が私を捕らえる。

「中山君、大好きです。大好き」

やっと言えた。

「僕も、白川さんが大好きです」

やっと通じた。


私はキミが大好きなんです──