「あ……あ」

妙に胸が苦しくて声が言葉にならない。自分が今の状態をどう説明しょうとしているのか、自分でもよく分からない。

だけどちゃんと言葉にしなきゃいけないようなそんな気がして。

「だから中山君がサチに告白した時、華は貼り付けたような無理した笑顔してたでしょ？三上さんにも突っかかってみたり、私からすると結構分かりやすいな～って感じもあったり。三上さんって中山君とたまに親しげに話してるもんね」

華はあの時、無理して笑ってたの？私をバカにして見ていた訳じゃなかったの？『中山ってさ～』って私に話しを振る華は本当は苦しかったのかもしれない。それでも普通にしてくれてたのかもしれない。

見方をちょっと変えただけで見えてくる違った華の一面。

「華ってあれで野生動物みたいなトコあるから。……あの『中山と付き合えるの？』って言い合いの時も、きっと最初は牽制のつもりだったんだと思うんだ。誰も中山君と付き合わないようにって。結局、意地っ張りなサチに『付き合えるよ！』って言われて墓穴掘ったわけだけど……」