風を感じて手すりに顔を乗せて目を閉じていると、教室の中から華が『私、彼氏と別れちゃったんだよね~』と話しているのが窓を通して聞えた。

「あれ?また華、別れちゃったの?」

小さな声で恵美に訪ねると『そうみたい。やっぱあの性格だからね』と笑う。

「あの性格?」

「サチも知ってるでしょ?華ってさランキングとかしてるけど、いろんな人と付き合ってるけど。全然長続きしないの。すぐ振っちゃうの」

「うん。ホント回転速いよね?」

ちょっと本音が混じって嫌味な言い方になってしまう私。

そんな私の心を感じたんだと思う。

恵美が『これは華のプライドに関わることだから言わなかったんだけど……』と私に顔を近づける。