夏休み明け。

朝早めに登校して油絵を描いてから教室に向かう。

テレピン油の匂いをさせていた私に華が

「あ~!サチッ!なんか夏休みすっごい付き合い悪かったじゃ~ん。彼氏できるとこうも違うもんなの?ってかあんたなんか匂う」

と言った。

きた。覚悟してた事が起きただけ。ひるんじゃいけない!

私はもう前みたいな自分には戻らない。

私には今描きたいものがあるから。止めるなんて出来ないんだから。

私は今よりも自分を好きになっていきたいから。

これは必要な事。乗り越えなきゃダメな事。

「あ、うん。私、朝一で油絵描いてるから。テレピンの匂いでしょ?臭くてごめんね?」

本当はドキドキしていた。手なんて強く握り合わせてなければ震えそうなぐらい。