やっと見つけた油絵も『爆発』と笑われて、『よく分からない』と言わてしまった。

自分にはもう何もないと思っていた。何をやっても楽しくなくなっていった。

一生懸命になんてなるだけ損だって、

格好悪いって、

ゆる~く過ごせばいいんだって思ってた。


でも

こうして油絵の具の匂いに包まれている鏡の中の私は、部屋でモグラになってた時よりずっといい顔をしている。

窓の外から聞えるのは泥だらけで部活に励む生徒達の声。

沢山の感情にまみれた清々しい空気がここにはある。

ずっとそんな目の前にある事に気が付かなかった。

一生懸命は格好悪いんじゃない。

格好悪いのは一生懸命になれない事。それを探す事を放棄すること。

なにより一番格好悪いのはそれをあざ笑った私。