「あ~あ」

足元に散らばったガラス片達は『こんな綺麗なのに捨てる気?』と言わんばかりに午後の陽を受けてキラキラと輝く。

そんなに輝いてもね、片付けるしかないでしょう。

島先生見たら怒るよねぇ。

モタモタと掃除用具入れから箒と塵取りを出す。

ガラス片はチリン、カチンと甲高く、でも柔らかな音を奏でながら黄色い塵取りの中へ収まっていく。

最後の一片を取り終えた時、またドアがガタガタと揺れた。

「うお!?お~!お前か。お化けでも出たかと思った」

「……先生、失礼すぎ」

「あ、悪い。本音がポロリってヤツだ。ん?ああ!!おっ前、何やってんだよ!」

島先生が急に走り寄ってきた。

「ああ、ガラス瓶割りました。すみません」

「バーカ。違うよ。お前、それっ。手ッ」

「ちょっと触っちゃったから、切れただけ」