「入学してすぐ、中山君がカメラを首から掛けてる私に『ね、ね、写真撮ってもらいたい人がいるんだけど』って声掛けて来たんだ。私と話そうとする人なんていないって思ってた。だけど中山君は用事がなくても、すれ違えばいつも普通に『おはよう』って『ばいばい』って当たり前みたいに言ってくれた」

三上さんはわが道を行くから別に人の事は構わないんだって、

三上さんは他人に興味がないんだって……思ってた。いや、私、それを口に出したこともあるかもしれない。

それってどれほど彼女を傷つけて遠ざけてしまっていたんだろう。

でも本当は三上さんも私も同じ。

人と何かを共有していきたいって気持ちは同じなんだ。

バカだなぁ私。自分だってこんなちょっとの事で寂しくて仕方ないのに。どうして他の人は違うって思っちゃったんだろう。