中山君が『恥ずかしい』と言っていたモノの正体。

出てきたのは数枚の写真だった。

「……これ」

「そう。白川さんだよ」

入学してすぐの頃の黒髪の私が恵美と笑っているもの。それから美術室で油絵を描く私の後姿。スケッチブックをさも難しげな顔して眉にシワを寄せて睨んでいる私。

私の知らない私の写真。

「三上さん?これ、どうしたの?なんで?なんで私なんて撮ったの?」

「これが……私と中山君の出逢いだったんだよ」

三上さんの声は今日で一番柔らかかった。