「僕はね、たまに辛くなる。周りくどい言い方は苦手だからハッキリ言うね?」

中山君は真っ直ぐ私を見つめた。

「僕は……白川さんに幻想を抱いてたのかなって思ってしまったんだ」

体ごとビクンと跳ね上がってしまうようなそんな感覚が体中を駆け巡って、嫌な汗が背中を伝った。

あの事だって、あの萌木の時の私の事だって、ハッキリ言われなくても分かる。

中山君はブランコを小さく漕ぐ。

小さな土煙がまた足にまとわりついて気持ち悪かった。

「白川さん、……あのさ、覚えてる?入学式の時。入学式サボって煙草すってたヤツらが停学になったの」