俺らは電車に乗った。
いつもなら混んでいるけど、今日は少し空いていたので
そのおかげで2人分座れた。

<けどさ、お前、どうしてそんな女嫌い?>

「言ったろ?俺は、信用できねえんだよ?」

<全員が前みてえなことをするヤツらばっかじゃねえだろ?
このままじゃ、お前は、幸せになれねえよ?>

「わかってる。けど…。」

<お前…。女が嫌いじゃなくて、何か怖がってんじゃねえの?>

そうかもなあ。

<おっと。俺、ここで降りるわ。見舞いに行くから。じゃあな。>

「おぅ。明日な。」

侑太の彼女は俺らより1個下。付き合い始めたのは今から2年前。
彼女がちょうど高校生になり、A校の文化祭で来ていたのをナンパして
付き合ったらしい。
彼女はちなみにF女校。彼女と侑太が初めてのクリスマスの日、
彼女は"白血病"を患ってしまった。
彼女は今、入院している。現在は、抗がん剤治療のため、長かった彼女の髪は
短く切り、少しむくみ、顔色も悪い状態だ。
そして、強気だった彼女は「死にたくない。」と侑太に弱音を吐いたのだ。
そんな姿を見た、侑太は「自分が支えていかなきゃなんねえ。」とつぶやいた事が有る。