電車のホームの中、ナンパされてる女子を見かけた。

<あれ、ナンパしてんのB校じゃね?>

B校は、ナンパで有名な高校。偏差値は低く、俺らの通うA校とは
天と地の差みたいなもんだ。

俺はそういう卑劣な真似をするのは許せない質で、
気がつけばそのナンパしている輩に手をかけていた。

輩はぐちぐち言いながら去って行った。

「あんた、大丈夫か?」

よく顔を見ると、美少女で、制服はどうやらF女校みたい。
F女校は私立で女子高の中でも偏差値はA校と変わらないくらいだ。

『ッ!…だ、大丈夫。ありがとう。』

そう言って駅の奥に走って行った。

<お、やるねえ。あ、それ。>

侑太が指をさしていたものは、どうやらあの子の生徒手帳らしい。

「あ、これ。どうすんの…。」

<F女校ってすぐ近くだし、今度返しに行けば?>

「ん、そうだな。」

俺はその生徒手帳を拾い、ポケットにしまった。