下駄箱を開けると、ドサドサと足元にラブレターが落ちる。

…漫画じゃあるまいし。

中には、男子からのも入っている。

たまに女子のラブレター以外に、
男子からのも紛れ込んでいたりする。

ちなみに俺は、秋田 早(あきた さき)。
名前と顔だけで、女と間違えられるから
自分の名前は気に入らない。

この学校は、A高校(ここらへんじゃ、頭のいい高校の一つ。)。
クラスは特進クラス3-A。

何度も言うが、俺は正真正銘―"男"だ。
この学校の男子は"ホモ"なのか?

<さすが、モテ男。朝から、ラブレターに埋まるとはねえ…。>

「あ、侑太。はよ。お前だって、ラブレター、あるだろうが。」 

こいつは俺の幼なじみ。
彼女もちのイケメン野郎、大藪 侑太(おおやぶ ゆうた)。
少し、茶髪気味だが、先生に気に入られる性格の為、大目に見られている。

<大正解。けど、俺は2枚だけど。>

「お前、彼女いるじゃん。」

<ま、ちゃんとお断りしなきゃなんねーな。早くん?>

侑太は手を挙げて、<先、行ってるぞ?>の意味で手をひらひらさせた。

クソ―。あの野郎…。