そしてしばらく経ち、仕上がると先輩は戻ってきた。
その時の、京ちゃんはすごかった。
何度も先輩を見つめては、こう言った。
「さすがだわ〜アタシ天才かもしれない!
トップのボリューム感といい、この襟足のシャープな感じといい、メリハリのついたワイルド感がたまんないわぁ!」
完全に京ちゃんは、自画自賛のマイワールドに入り込んでる。
ついていけそうにない。
「いつも、いい感じにしてもらえて、本当嬉しいっす!」
先輩はそう言いながら、荷物とコートを愛から受け取って言った。
「でしょでしょ〜♪」
京ちゃんは一人、満足気にうなずいていた。