とても楽しそうに先輩は、京ちゃんと話をしている。 あんなに楽しそうな先輩を見るのは、初めてだ。 友達といる時とも、部活にいる時とも、私といる時とも違う。 京ちゃんは、カットしている間もオーバーアクションだ。 空中を、泳ぎ回っているかのようだった。 それでいて、ちゃんと仕事もこなしている。 ヘアーショーを見ているかのような、ハサミさばきだった。 その少し離れた真後ろで、見つめ続ける愛のまなざしは、真剣そのものだ。