部屋の中に入ると、煙草の匂いや香水の匂いで、さっきの部屋と変わらぬ異様な匂いがした。




「っ!?」




私はびっくりして飛び上がってしまった。




──────男の手が、私の左頬に触れたから。




「・・・えっ」




目をまん丸くして男を見つめると、男は不思議そうに首を傾げ微笑んだ。




「変な意味じゃないし。ホッペすっげぇ腫れてるからさ」




男はそういうと、メロンソーダが入ったコップを掴み、私の左頬に当てた。




コップの表面に付いていた雫が頬を涙のように伝う。




扉が開く音と共に、2人の男が入ってきた。




見んなおんなじ学生服を着ている。




着崩れた灰色の制服。




オリーブ色の髪の男に、こげ茶色の髪の男。




・・・でも、1人足りない。