「離して・・・・・・」




「離したくない」




「言ったら離すって言ったのに」




「離して欲しいの?」




鉄平のいじわる。





「俺も好きになってしまった。どうしたらいい?」






からかってるわけじゃないの?



本当に言ってる?






私は、鉄平の胸から顔を離し、壁に書かれた相合傘を見つめた。





「中学生だと思えない。凛とは対等に話せる。でも、まだ中学生なんだよな?」




「うん。鉄平は大学生。私は中学生」






鉄平はやっと私を離してくれた。





困ったように眉を下げた鉄平。