「もう一回聞きたい」




「もう言えない」




「言ってくれなきゃ離さない」




「・・・・・・離してよ」




「じゃあ、言って」






鉄平はやっぱり大人で。



こういうとき、私はとんでもなくドキドキしちゃうんだけど・・・・・・






「・・・・・・ずっと好き、でした」





「過去形?」





鉄平の声が耳のそばで聞こえる。




こんな経験を中学生でしちゃうなんて想像していなかった。



誰にも恋をしたことがなかった私が・・・・・・





「今は好きじゃないの?」




「す・・・・・・きです」






鉄平は離すどころか、強く私を抱きしめた。