プルルルル プルルルル 『はい?』 出た。 いつもと声が違う。 「兵藤と言いますが」 『あ、凛か?』 普通に“凛”って言ってくれたことにホッとして、体の力が抜けた。 「急用じゃないのにかけてごめんなさい」 『いいよ。別に用事がなくても。どうした?眠れないのか?』 すごく優しくて、泣けてくる。 冷たくされたらどうしようかと思って・・・・・・ 怖かった。 だって、男の人ってよくわからないから。 初めての恋だもん。