「なぁ、これ俺のこと?」 鉄平はソファの横の壁を指差した。 「何?」 「これ。ここに相合傘、書いてある」 「嘘!!誰が書いたの?」 「鉄平って書いてある。こっちは、凛って・・・・・・」 きっと敦子の仕業だぁ~! このかわいい字は敦子。 「冗談で書いたんだと思います」 動揺した私はお茶のなくなったペットボトルに口をつけた。 「いいな。中学生って」 鉄平は、小さな窓から暗くなった空を見つめながら言った。