―幸運―




「失礼しまぁす」




クーラーの効いた静かな職員室に一歩足を踏み入れる。





数人の先生がパソコンに向かっていて、鉄平は顧問の先生の隣で何か話していた。





「おう!こっちこっち」




手招きをする鉄平の元に駆け寄る。




まるで、ずっと前からこの職員室にいたかのように、職員室に馴染んでいた。




「疲れてるのに悪いな」




鉄平はそう言って、私に丸い椅子を近づけた。