その日の練習は、テニス部に入部してから一番キツかった。



でも、充実していた。




大きな声が響き渡る。



引き締まったいい練習だった。



鉄平は、驚くくらいにテニスがうまくて・・・・・・


あんな風になりたいと心から思った。





「兵藤、お前、連絡係やってくれない?」




最後の挨拶で、鉄平が私を名指しした。



名前を覚えてくれていることに喜んだ私。




周りのみんなは、どうして凛なんだろう?って不思議そうな顔をしていた。





だって、私はうまくないし、部長でも副部長でもない。